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市田柿

つれあいが干し柿作りにまたもや失敗したのに見かねてか?先日、Kさんたちから干し柿のプレゼントをいただいた。干し柿といっても、これは自分が今まで食べた事のある干し柿と同じ範疇に入れるべきではないような上等な干し柿で、「市田柿」と呼ばれるものだった。

Kさんたちは自分たちより先輩だし、人生経験も豊かだし、いままでにいろんな世界を見てきた人なので、私たちが知らない美味しいもの、美しいものなども沢山紹介してくれるので、お会いする度に楽しいお勉強の時間を過ごさせていただいている。

この、市田柿、周りはパウダー状の白のおしゃれな皮を身に纏い、断面がアプリコットのような濃密なオレンジ色(というか、正に柿色ですね)で、もっちりとした食感ながら、干し柿にありがちな、ザラついた舌触りもなく、見た目も食感も美しいのです。虫除けに、最初に硫酸に浸した後にスモークするのがポイントなんだそう。(その工程を感じさせる味は残してない。)

近年では柿が抗癌、抗ノロウイルス、水虫予防、悪酔い予防など、医学的効果に期待されていたり、柿渋の持つ成分が錆止めや携帯電話基盤の金の回収に活用されたり、と、柿成分効果のプロパティが幅広いことに驚かされます。 ただ、科学的なことを言われてもイマイチすんなり理解出来ない自分にとって、ストレートにすごい、と感じる事はやはり、「腹」で感じる時。

干し柿は昔からの日本的な食べ物で、口元にシワを寄せたお婆ちゃんがコタツに丸くなりながら食べている、という情景を思い描きがちですが、これが、実はヨーロピアンなウォッシュタイプやブルーチーズとの相性が良い。クラシックジャズを聴きながら、白ワインとまったり。という状況にもなんの違和感もなくフィットしてくれるのです。本当に良いものは、どんな状況においても柔軟に対応してくれるものです。己の軸がしっかりしてさえいれば、異文化とも対等に呼応できる。

「柿食えば腕が鳴るなり法隆寺。」と、柿からインスパイアされる私でした。[/vc_column_text]

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