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私もたまに独りの時や忙しい時はワンプレートディナー(全てのおかずを一枚のお皿に乗せて食べる方式)をやっていますが、これを毎日やってしまうと疲れてしまい、自分でも背中に哀愁が漂ってる感を覚えます。やはり、食事というものは時間をかけてゆっくり誰かと一緒に食べたいものです。

器の使い方は人それぞれだとは思いますが、我家の食事のスタイルでは、鉢に一品ずつ料理を盛り、それぞれが自分の皿に受取る、というのが一般的です。

取皿は一枚で、その日のおかずが洋風なのか、和風なのか、汁物系があるか、+フィーリングなどでどれを使うかが決まります。いろんなおかずが出ても取皿は取り換えず、食事を通して同じものを使い通します。これは私が子どもの時から育ったスタイルで、父親も「うちは器を倹約していますので」と冗談気味に言いながら、これは茶懐石のスタイルなんだと実は自慢していました。お茶事といえばなんだか敷居が高い感じがしますが、実はとても合理的なのです。茶懐石では鉢盛された料理を席の人数分で分け合いますが、最初に出てきた向付のお皿を取皿として最後まで使います。なにしろ、皿洗いの量が減りますし、取皿に取ったものは綺麗に食べてしまわないと次の料理が美味しく食べられないし、見た目にも美しいのです。

鉢の大きさは食事の人数/料理の量で判断しますし、おかずのタイプで盛り付けが映えるような形状、色、質感を決めます。いろんなバラエティのあるおかずに対し鉢もバラエティをもたせるように、同じ様なタイプの器はリピートしない様にします。例えばあるおかずを黄色い器に盛ったならば、次の料理は黒い器を使うとか。底面がフラットな器、緩やかなカーブのあるもの、それだけでも料理の見え方は変わってきます。食事も音楽の様なもので、流れにメリハリがあると楽しいものです。

うちは全員酒呑なので、おかずと一緒にごはんを食べる、ということにはならず、ごはんは最後のシメとしてお漬物と一緒にデザート感覚でいただく、というスタイルです。

鉢盛をみんなで分けるというスタイルは根本的に分かち合いの精神を生み出すことだと思います。レストランなどではそれぞれの料理が個別に一人分ずつできてますが、最近ソーシャルメディアなどで披露されている料理の写真が、ご家庭でもレストラン式に別々に既に取り分けられている、というのを見るとちょっと寂しい気になる私なのでした。


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先日、久しぶりに唐津のとあるレストランにいったら韓国の方が大勢いらっしゃってました。私の後ろから聞こえてくる会話がなんとなく九州弁に聞こえてしまい、そうかそうか、『おいしかヨ〜』といっているのか、とか、はたまた『ナマダヨ〜』と聞こえたり。勝手に彼らの会話を想像して楽しんでおりました。そういえば、以前五島に行った時も、フェリーの中で大きな声で話しているひとたちがいて、ほぅ、韓国の人も五島へいくのだな

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