器用貧乏



殆どの人が3種類くらいの仕事をもっている。そうじゃないと生計がたてられないからだ。

よく『ボート修理』と一緒に『卵も売ってます、新鮮!』みたいな看板を見かける。

友だちのクリスは大工さんを兼ねながら、クリスマスツリーを育て(5,6年で商品となる)、その上、地主でもあり、幾人かのサマーハウスの管理人職も受持っている。週末には結婚式やお祭りなどでバグパイプの演奏をするバイトもしている。おっと、本職は写真家。けど自分の作品だけでは食べていけないのでインターネット上で写真の夏期講習などもしている。そして1歳と4歳になる二人の子供の父親でもある。

自分はヤキモノしかつくれない。毎日作陶はしているけれど、作品が売れないとどうにもならない。自分が他になにもできない役立ずだとおもうと肩身が狭い。

Pは器用貧乏だけど、せめて彼女だけでも器用でよかったとおもう。

彼女はいろんなことが出来る人で本当に助かっている。

Pは几帳面、というより、どことなくマニアックなのでとことんのめり込まないと気がすまないタチで、パンを作るにしてもオーガニックな全粒小麦と、それを製粉するための手動石臼から求めてしまう人だ。

いつもなら、またはじまった、とおもうのが、今はそれをありがたいと感謝している。

Pのパンは美味い。それは小麦粉がいいからだと彼女は言っている。

小麦は製粉するとすぐ古くなるらしい。だからパンをつくる直前に製粉すると全然味が違うことは一度味をしめると忘れられない。Pは毎日せっせと違うタイプのパンに挑戦している。


『ビールも自家製にしましょう。ビールを作ったあとの穀粒を再利用して同時にパンも作れます。』

『なんですとぉ〜!?』

さっそく、ビールメーカー(とはいえ、発酵用のでっかいガラスの瓶と、完成品用のビール瓶に加え原材料:ホップ、穀粒、ビール酵母、といたってシンプル)を調達した。作り方もカップヌードルが作れる人なら誰でも出来るほど簡単。

魔女のようにいっひっひ!と不気味な笑いを放ちながらくつくつ煮立つビールを1時間ほどかき混ぜ、それにビール酵母を入れてあとは瓶の中で寝かすだけでいいのだ。

今回は5ガロンのアメリカンエールをつくってみた。

できあがるまで6週間かかるらしい。

ビール酵母がフツフツと音をたてて可愛く育っている。

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