普段は梅雨時になるとアメリカにいるのだけど、今年は母と一緒に梅干しを作ろう、とおもって6月まで唐津にいることにした。
うちの畑には南高梅が10本ほどあり、毎年立派な実を持たせる。
いつも60kgくらいはとれる。とはいえ、そんなになっても一人では食べきれないし、母は嬉しいような、迷惑なような表情でいつも梅を眺めている。けど、なったらなったで放っておくわけにはいかないので、結局一人で毎年梅干しを漬けている。
『桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿』
母は調子良くそう言いながら去年、梅を採るときついでに枝もがんがんに伐採してしまった。
ところが、なんだか様子がおかしい。
梅どころか、今年はレモンも花がいっこうに咲かなかった。
いつもは枝が垂れるほど実がなる枝に、待てど暮らせど、今年は10本の木から5粒の梅しか検出されなかった。
『きっとクニコのせいだ』とだれの目にも確かだった。
母は天才を通り越して、おばかな人でした。
やはり、物事は専門家にたのみましょう。
Comments