記憶に残る情景


スナップ写真を撮るのがあまり好きではない。

スナップ写真といえばよく思い出すのだが、映画『ミステリートレイン』に登場する日本人のカップルがメンフィスを訪れるが、その若い男性がホテルの灰皿や壁紙、電話など、どうでもいいもの(記憶の中にとどまらないもの)だけを写真に収めるシーンがある。

自分はビジュアルな物に感心がある人間だとおもっているが、私の視覚的な記憶ほどいい加減なものはない。人の髪型や服装、目の色、一重か二重、眼鏡をかけているか、いないか、人の容赦を説明するときにキーポイントになることはすべてすっ飛ばして人と接しているような気がする。視覚的な記憶どころか、聴覚も怪しい。音楽は大好きなのだが、人の名前などは紹介された瞬間に右の耳から左の耳へと流れてしまうので恥をかくことが多い。

私もミステリートレインの男のように記憶にとどまらないものを写真に収めようとしたら何冊のアルバムができたであろうか?

ヴァーモントの冬はマイナス20度という寒さ。

外に出ると寒いというより痛いという感覚に近いが雪景色は幻想的だ。

ディテールは雪に隠され目を細めてみる景色のようにぼんやりとかすんでいる。

モノクロの写真のように、そこにはカラーというカラーが無い。

余分なものは全てそぎ落とされて残るべきものだけが存在し、『現実』というより既に『記憶』としての光景が存在しているかのようである。


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