最近、ロクロを回す時はdeep house music、そして雨でしっとりしている日や夜お酒を飲みながらご飯を食べる時はJazz、仕上げの削りやタタラ作りの時は落語、というパターンが決まってきた。爆音でハウスミュージックを聴いている時はちょっとたじろいでいたヤマトの宅急便の配達に来るおねえさんも、あら、最近は落語なんですね、とにんまりとした目がそう言っている様に感じる。
とうとう自分も落語なんかを好んで聞くような歳になったものだなあ、これって絵に描いたような引きこもり陶芸家のパターン?と思いながらもこの歳になってようやく「はばかり」というボキャブラリーを覚えた。落語も志ん朝さんが好き。特に小噺がいい。そしていつの間にかポンっと本題に入るところもイキでいい。ああ、ライブで見たかったなあ。噺家は道具(扇子以外は)何もなしで、舞台装置もなく、ただ座布団の上に座ったまま、一人で何役もこなされるところがスゴイと感心してしまう。特に志ん朝さんは間の取り方がうまい。耳だけで話を聞いていても状況が想像できるくらい、どんどん引き込まれてしまう。おかげで普段の言葉遣いも江戸っ子調に染まってしまい、アメリカ人の相方を相手に、「するってぇとなんですかい?」とつっこんだり、「お前さん、ちょっと急いで行っとくれ!」はたまた「おぅ?今夜の肴はふきのとうなんざ、いやぁ、乙だねえ!酒が進むねぇ!参ったね、ほんとうに。」なんて、すっかり落語モードになっている。こりゃ、気をつけねえといけねえな、ほんとうに。
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