自分の為の贅沢



大学時代に仲良しだったタンズィーは私に勝る男の子のような女の子だったけれど、だれよりもロマンチックな人だった。

見かけはちょいワルっぽい(というか、めちゃめちゃハード)けれどハートはデリケートで小学生のように純粋だった。

彼女のアパートを訪ねるといつもほんのりとろうそくの火がともり、バスルームにもフレッシュな花がでっかいガラスの花瓶に生けてあった。白いユリの花とかちょっとエロティックな花を好む人だった。そしていつも清潔なふんわりとしたタオルが丁寧に積み重ねられていた。ベッドシーツは滑らかなシルク。けしてお金持ちではなかったけれど、ちょっとしたことに贅沢を惜しまず、心を豊かにする術を把握している人だと感じさせられた。彼女が落ち込んだときは自分自身の為に花束を贈るようなちゃめっ気のある人でもあった。人当たりはシャイだけど、感動屋でもあり、ユーモラスでアーティスティックな人柄は友だちとしてもとてもうらやましく感じていた。その当時では女性ではまだ珍しいDJ活動もかっこ良くキメてしまう、小憎らしいモテモテさんでもあった。

あれから早くも15年以上の月日が経つ。

お互い大人になり、それぞれの道を進み、遠く離ればなれになってしまったけれど、彼女をたまに懐かしく思い出してはバスルームに白い花を生けてみたくなる。

バスルームはリビングとはちがう。

ひとりぼっちになりたい時に、自分だけのための贅沢な時間が楽しめる。

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