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立つ鳥後を濁さず


数週間前は黄金に輝いていた葉っぱも枯れ落ち、

木々の間からこもれる夕日が眩しい。

山々は淡い陰のような色に変色している。

枝だけになった木々が醸し出す灰色とも薄紫とも言えぬ色は

メランコリーに漂う。

もうじき雪が降る。

もうこの場所を発たなければならない。

渡り鳥のような人生。

冷蔵庫の中身は空っぽにし、

ガスコンロはスポットレスに磨き上げた。

冬の間、パイプが凍って破裂する恐れもあるので水道管も空っぽに。

ペットたちと友だち、そしてメインの場所に別れを告げる。

次の春までさようなら。

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