その人がどういう人間であるかの第一印象を判断するのは空港がいい。
空港はA地点からB地点へいく通過地点であり、そこには多種多様の人間が集まっているが、また同じ場所で同じ人と再会する確率は極めて少ない。その安心感からなのか、人は自己防護も取り外し、他人に対するマナーや気配りを忘れがちで、自己中心的な臭いをシートとその周りに漂わせている。空港はそういう意味でとても不思議な空間でまるでなんのバランスもハーモニーもなくただ無造作に展示されている人類博物館のようだ。隣の人と同じ方向に行ってるようで実は別れる運命にあるのは電車も同じような状況かもしれないが、多種多様の人間が集まる確率は空港(特にアメリカ)には劣るだろう。そして電車よりも圧倒的に飛行機の方が時間も長いのでじっくり観察したいのならばそれも可能だ。
日本人は結構、(特に都会では)群衆のマナーというのをわきまえているような人種だと思う。隣の人を気遣い、自分が公共で恥をかかないように、そしてまた周りの人に迷惑をかけないような気配りが身に付いている。これは人間としてのあたり前のルールだと思っているが、実は海外ではそうでもないらしいと、日本を離れると感じてしまう。海外に住んでいたのに、日本に住み慣れてしまうと、このことを忘れてまたカルチャーショックを受けてしまう。
同じ飛行機で隣に座った人と恋仲に陥る、そして結婚する場合もある、という映画みたいな話も結構現実に起きるらしい。私もよくちょっとでも油断すると隣に座った人に身の上話を聞かされるハメになることが多い。残念ながら彼らと恋仲に陥った経験は一度もないが。
今回は日本でギリギリまでマックスな時間を起きていたので成田で飛行機に乗ったとたんに爆睡してしまった。お陰で誰の身の上話も聞けなかった。
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