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女心とメーン


まるで、『女心とメーンの空』という言い回しができるように、メーンの空模様は季節に関わらずいつもコロコロと変わる。マークトウェインの『If you don’t like the weather, wait a few minutes (この天気が気にいらなければ数分だけ待っててごらん。)』がメーンの人の合言葉。だから逆に『今日は天気がいいね』と思ってもけして安心して洗濯物を干しはできない。いつも空とにらめっこをしながら注意深く空模様を観察していなければならない。

天候と同じ程、メーンでは風景の変化も著しい。今年は3月の終わりからメーン州に滞在しているが、風景が日々変化する速度には目を見張るものがある。雪解けを終え、スイセンの花が春の到来を伝えたかと思いきや、たんぽぽがあっと言う間に野原を黄色い絨毯で敷き詰め、白いリンゴの花は雪の様に野山を飾り、ツツジやクラブアップルのショッキングピンクも目に眩いほどの色を主張している。けれど、どんなに派手な色でもtoo much にならないのは、さすが、自然の神様はベストアーティストだと思う。山々は新緑のモスグリーン色に包まれている。目に優しい、私の好きな初夏の色。

メーンでは電気窯を使っている。電気窯は今迄あんまり使ったことがなかったので釉薬や土のことからまた新たなスタートだった。唐津のモノトーンの作風から少し色気のある作品になっているのは、少しはメーンの色に感化されているのかもしれない。

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