自分の前世は間違いなく犬だったとおもう。
森の中を散歩して大きな岩なんかを見つけるとそわそわしてコーフンのあまりいたるところにマーキングしてみたくなる。
なんだかよく知らない人でも気になる匂いにすぐ尻尾をふってついていってしまう犬をみると似た者同士的感情になる。
でもチワワじゃなかったとはおもう。(むろん、あれは犬じゃないような気がする。)
一度、母の用心棒にジャーマンシェパードを飼おうか、という話になったことがある。ジャーマンシェパードは犬の中でもトップクラスのエリートらしい。聞き分けよろしく、頭も良ければ凛とした顔つきで相手をギャフンといわせる威嚇度も高い。
『ジャーマンシェパードはね、とっても賢くておりこうさんなんだよ。あんたよかはるかに聞き分けもいいしね。』
Pからも自分の前世が犬であったとしてもけしてジャーマンシェパードではなかったことを断言された。
ともだちの留守中にニワトリとギニーヘンの世話を頼まれた。
世話といっても水の交換と餌の補充、朝夕と一日二回、彼らを小屋から出し入れするだけなのだが。
しかし、それが実は思いがけなく困難な作業なのだった。
まず、自分はトリがニガテな事。なんとなく卑怯で冷たい感じの鳥の目つきが嫌いなのである。
けれど、自分たちの留守中には彼らに自分たちのペットの面倒をみてもらっていたのでこれはギブアンドテイクな状況なのでNOとは言えない。
トリたちを小屋から追い出すのはわけないことだが、夕方彼らを小屋に入れる作業がスムーズにいかなく、彼ら全員を小屋に集めるのに2時間近くもかかってしまった。
特にギニーヘンは馬鹿なのか、頭がいいのか、途中で群と違う方向に駆け出して列を乱したり、中にはナマイキにも策を飛び出して木に登るやつもいたり、、、残りの3匹入れる間に5匹小屋から出て行ったり。。。もうっ!!大バカヤロウめ!焼き鳥にしてしまうぞ!と大人気なくもトリを相手に本気でキレてしまった。
ギニーヘンはダニを食べる事で重宝されている。しかも姿も江戸小紋に似たなかなかシャレたいでたちなので第一印象はよかったものの、この二日間で見事にその関心が吹っ飛んでいった。今や、江戸小紋をみても反射的に鼻息が荒くなってしまいそうで危ない。
トリ集めごときに数時間も費やしてしまうこの愚かな人間にくらべ、シープドッグは偉い犬だなあとおもった。彼らはいとも簡単に、ニワトリ、ガチョウ、羊、など、それぞれ種類別にわけなく小屋に封じ込めてしまう。彼らはこの作業に2分もかからない。
そうか、自分はシープドッグにもなれないらしい。
能力的には手足が短くて喜怒哀楽の激しいパグあたりで納得できるような気がする。けど自分はあそこまでひょうきん者ではない。
それとも、どんなに疲れていようが投げられたら取りにいかなくちゃと、反射的にひたすらテニスボールを追いかける、何事にも一途なゴールデンにも共通するところがある。
あんたはそんなにハンサムじゃないよ、天国から愛犬チューカが笑っているかもしれないが。
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