ミスマッチの文化


『日本の老年の女性の服装をみて感じるのだけど、花柄のシャツにチェックの上着、そしてシマシマの帽子、というように、見るからに“ミスマッチ“だとおもうのだけど、これはなにかしらの日本の文化的要素が影響しているからなのか?』

アメリカ人の友だちが日本を訪れていた時にこんな質問を受けた事がある。

『さあねえ、田舎の人だからファッションに興味がないだけじゃないのかな?』

なんてその時は適当に答えたけど、はたして私の読みが浅かったのか?

母の着物姿を見るたびに感心するのだが、着物の柄と帯の柄、柄と柄はちょっとやりすぎなんじゃ?とおもいきや、それが意外にしっくりマッチしてたりする。色的にも合いそうになくても、裏地の色やちょっとした刺繍の糸の色に同質の色があるだけでピタリ、とはまる時がある。そして着物の場合、長襦袢や帯締め、帯揚げの目立たない部分が実はムード作りの重要な役目を果たしている。試しに同じ着物と帯の組み合わせでも帯締め一本変えただけでがらりと雰囲気が変わることは着物を召される方は充分ご承知のはずだ。いろんな色調やテクスチャーが重なり合い、一見ミスマッチの危険性もふまえながらも最終的に一つにまとめる。これが着物のおもしろさではないのかとおもう。

日本の器の使い方も世界的にみて異例だ。ミスマッチを好む文化は食事のスタイルにも表れている。同じ食卓に、白磁の器に唐津焼があり、焼き〆があり、そして古伊万里があり、信楽があり、そして陶器だけでなく漆器やガラス、金属系や木製や竹製の器も登場する。カタチも同じものを繰り返さないようにするのが日本独特のスタイルである。そしてちぐはぐだらけの食器と四季折々の食材で『食事』を成り立たせるのが日本料理においての独特な美意識だとおもう。

日本の雑木林は美しい。歩くと植物の種類の多さに圧倒される。いろんな種類の木々や草草が無秩序に生い茂っているが、それを美しいと思うか、うっとうしいと思うかはその人が育った文化の違いにもよると思う。人間の文化や美意識は自然に大きな影響を与えられるというが、山を歩くとまさにそんな気がする。

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