その攻撃は夜中の2時からはじまった。
前の晩、母のうちでごはんを食べ、いつものように苦しいくらいに満腹状態で家路につき、まるでフォアグラにされるガチョウのような気分で床についたのだがなかなか満腹感が収まらない。おまけに吐き気まで催し、ずっとがまんして気分をおさめようとしたが無理だった。
一度父がピロリ菌というなんとも可愛らしい名前の菌に苦しめられた事がある。
もしや私もピロリちゃんかしら?
『可愛いフリしてあの子、わりとやるもんだね』とばかばかしくも懐かしいメロディーまでが頭をよぎりつつもその瞬間になったら真剣にトイレに駆け込んでいた。
おまけに朝方はPまでおなじことをやっていた。
私は普段いたって元気なので病気になるととても弱気になる。特に吐き気というのが一番苦手な感覚だとおもう。よくボリーミックな人は食べては吐き、食べては吐き、を繰り返すらしいがよくそんなことやれるもんだとおもう。そういう人たちを本当に可哀想だと思う。
翌日ふたりとも死んだイルカのような顔をしていたがその日は大事なお客様との約束もあり、なんとかしがみついてその日を乗り越した。
それでやっと今日になって病院へ行って検査を受けたらノロウィルスだった。
日曜日に食べた牡蠣がいけなかったらしい。
なんともおっさんくさい菌にやられたと知って余計ガックリ来た。
その場ですぐさま点滴を打たされてマジな病人になった気分だった。
こんなことまずないのだけど。
中年という大判を背中に押された気分だった。
昨日一日なにも食べず、今日もおかゆだけ。
体重計にのったら1kg減っていた。
少しニヤリ。
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