2019年、師走、年の瀬。最近、もしかして地球の回転ピッチが早くなっているのではないか?とさえ疑ってしまうほど。
今年は身の回りで特になにも大きな事件はなかったのですが、それでもなんとなく自分の心境に変化が起きているなあと感じています。
それは、熱燗って美味しい、と思うような年齢になった、ということ。
昔は「新潟とか山形とかのキリッとした上品で辛口のお酒を、冷酒もしくは常温で呑むのがイイよね。」なんて大人ぶってたくせに、なんだか最近は、仕事が終わって家に戻るとすぐにお酒に燗をつける、という動向へとパターン化しているのです。
先日、シラカワさんから連れて行ってもらった捏料理の美味しいお店で熱燗を呑んで「お?なかなか旨い!」と思ったのがきっかけだとはおもいますし、なにしろ冬はすぐ日が暮れるし寒いし、ずっと山に引きこもって仕事ばかりしていると鬱っぽくなってしまった、という状況も加算している理由だとは思うのですが、とにかく、今は熱燗に虜になってしまいました。それも、熱燗の場合、ちょっとひねた感じのお酒がいい。と思っています。(まだまだ、熱燗デヴューしたばかりですので、そんなに偉そうなことは言えないのですが) 鯛や平目の刺身に合うような上品なお酒ではなく、むしろ、ちょっと野暮ったさもあるような昭和のムード満載の(全然高価でもない)お酒がいいのです。それは、おでんとか、牛すじ煮込み、といったような昭和っぽい食べ物との相性が抜群であり、まさしく昭和生まれである、今までガッツだけで生きていたけど今は体力も気力も落ちてちょっと元気のなくなった人間の心に優しく寄り添ってくれるのです。まだ音楽的にはその領域へは辿りついていないとはいえ、BGMが演歌とかになろうものなら簡単に「オヤジ化コンプリーティッド!」を果たせるでしょう。
ワインも好きでよく飲みますが、一升瓶のお酒のコスパの良さに今さらながら気付いてしまった私としては、「たったのこれだけでこの値段とはぼったくりじゃねえか!お前、何様だと思っとるんだ!」とワイン様に罵声を浴びせるほど。
「燗」という字は、暖かい火があって、家の近くにほろりと月が浮かんでいるようで、図柄的にも心を擽られてしまうのです。さらに、付け加えると、熱燗だと多少飲んでも二日酔いにならない、という長所もポイントです。
もう若くもないんだし、飲み過ぎには注意しないとな、とは思いながらも、しばらく我が家では熱燗ブームが続きそうです。
みなさま、よいお年をお迎えください。