白湯を飲む

自分は毎朝のコーヒーがないと始まらないと思っているのでいつも大きめのコーヒーマグにナミナミと注いでむりやりぼやけた頭と体をたたきおこそうとしている。だいたい、朝が苦手なのだ。よく、朝5時に起きてちゃきちゃき仕事を済ませる人がいるが、そういうたぐいの人たちを尊敬のまなざしで崇めてしまう。もちろん、私だって4時5時に起きて仕事をしなければいけないときだってあるが、普段がそうでないので体と頭は矛盾に包まれてそううまくは仕事がはかどらない。

『早起きは三文の徳』ということわざがあるが、英語ではこれを“the early bird catches the worm.”(早起きの鳥は虫を捕まえる)と訳されている。けれど私の場合逆に、虫の立場にいるような気がする。すなわち、“the early worm caught by the bird.” みたいな。。。早起きをすると茶碗を割ったり、ころんだり、生活のリズムがくるってしまう。

 

みな平等に与えられた同じ24時間なのだから、しかも自営業だし、別に自分がどう時間を使おうがとがめられないだろう、最近はそう割り切ってできるだけ早起きはしないことにしている。

 

コーヒーはもちろんやめられないが、最近はまっている飲み物がある。

白湯である。

仕事がスピーディーにのってきたところでお茶の時間に休憩をとるのはもったいない、けれどちょっと喉を潤わしたいからストーブにかけていたヤカンから白湯をマグに注ぐ。轆轤をまわしながら一口あったかい湯を体に注ぐのだが、これの気持ちの良いこと!冷たい水とは違って角のとれた軟らかい味で、身も心もゆったり落ちつく。けれど、それ以上の情緒もないので気持ちの軸は歪まない。浄化作用もあるようで、体内の毒がとれているような気がして気分が良い。

 

バレンタインデー

 

バレンタインデーというと日本じゃ女の子がこぞってデパートへ繰り出し、好きな人の為に命がけで一番スペシャルなチョコをゲットする、という日だけど、あまのじゃくの私はなんだか商業臭い気がして、もともとこの日が好きではなかった。しかも、日本の場合は女性が男性に愛を注ぎ、チョコを貰った男は一ヶ月も経って忘れた頃にその相手にお返しをする。お返しといってもマシュマロ。だれが世の中にそんなもんほしいとおもっている人いるか?しかも女性が受ける愛は貢ぎものをした場合だけ、という条件付き。そもそもかなりおかしいのではないかとおもっていた。これは男尊女卑の日本ならでわのカルチャーなのではないか。それに、モテない男性を可愛そうだとおもって『義理チョコ』というものまで発明され、ますますひとにへんな気を使わせている社会システムになっている。

アメリカに行って驚いたことは、バレンタインは女性だけが愛を告白する日ではなく、男性からも平等に愛を贈ることができるのだ。しかも贈り物はチョコレートではなく、薔薇の花とかシャンパンとか、いかにも派手好きな西洋人なれでわの習慣がある。アメリカにも、なぜこの日だけ特別に愛を感じなければならないのか、おかしい。と思っている人たちもたくさんいるが、やりたければ誰しも平等に愛を贈ることが出来ることについて私は文句は言わない。

好きな人に愛を贈るのは悪いことではないので、友だちや母にもチョコを贈ることにしている。母は今迄女性からバレンタインにチョコをもらったことはなかったので、へえ!いいの、こんなの!とたまげていたが、もともと甘いもの好きなのでそれ以上つべこべ言わなかった。私は酒好きなので甘いもんはあんまり食べない。ほんとのチョコ好きならばカカオが濃厚なダークチョコを好むらしいが、私は鼻血が出そうなのであんまりそういうチョコは食べない。どちらかというとホワイトチョコ、いわゆる、ほんとのチョコ好きから言わせるとヘナチョコが好み。

チロルチョコは子供の頃を思い出すので好きなアイテムの一つ。これをもらうと子犬のように喜んでしまう。Pも私もお互いに同じプレゼントを選んでいたので笑った。

スピードラーニング

74にもなる母が一体何をおもったのか『スピードラーニング』というものを買っていた。母は疑り深い人間で普段は石橋を叩いて、叩いて、叩き割るタイプの人間なのだが、どうやらそんな母も石川遼君の美貌にはこともなくだまされてしまったらしい。

『ただなにげに聞いていただけなのに、ある日突然ぺらぺらと英語が話せるようになっていた』という、どこにもありがちな、けど魔法のような宣伝文句に、いとも簡単にやられていた。

そりゃあ、海外にしょっちゅう行っていて、しかも外国人の選手とかとのやり取りも頻繁にあって、それにまだ体も脳ミソも若くて柔軟性のある石川遼君だったら、ある日突然ぺらぺらとしゃべれるようになったのかもしれないけど。

 

”マァイ ネえィム ぃズ エァーん テイラー”

別に自分の名前がAnn Taylerでもないのに他人の名前で自己紹介する場面を繰り返し繰り返し練習することにばかばかしさを感じ、ぷつりとやめてしまったらしい。

 

私も半分アメリカにいるし、アメリカ人のパートナーがいるので自分も英語で会話を少しくらいできたらいいと思って始めたのかとおもうとちょっと胸がきゅんとするが、この際英語よりジェスチャーの方がずっと通じるような気がする。母は日本語を話すときも手がないと話せないので、実は手で話しているような気がする。

 

“Who are you?”

“I am your daughter.”

という会話だけは先々役に立つかもしれないよ、とは言っているが、実際、私の脳みそよりか、母の方が案外しっかりしているので先にボケたらごめんね、と今のうちから謝っている。

 

ヨギーな器

心地よい午後の光。けれど外の空気は凛としている。

そんな日曜日の午後にぴったりの人たちが訪ねて来た。

髪の長い日本人の女性とターバンのような幅の広いヘアバンドをした無国籍的な女性に、インド人の瞳の濃い男性。

いわゆる、ヨギーな人たちがやってきた。

そして、長髪のヨギーが一枚のお皿をみて反応したのです。

『これは第一チャクラですね!』

チャクラもなにも知らなかった私は?△::))?と、なんだか的を得ない返事をしたが、

後で調べてみてわかった。第一チャクラのシンボルは四つの花びらの形をしている。

インドの哲学によると人間の体には7つのチャクラ(身体と心のエネルギーの出入り口)があるそうだが、その第一チャクラとはムーラーダーラチャクラと呼ばれ脊柱の基底にあたる会陰(肛門と性器の間)にあり、また『ムーラ アーダーラ』とは『根を支えるもの』の意である、そうだ。

さすが!中里花子、やるのぅ!

ということで、なにげにつくった器がヨギーな神聖な器に変身したのでした。

ちなみに第一チャクラをこのように説明していたものがあったので引用します。

■■■ 1. MULADHARA ムーラダーラ チャクラ ■■■

第一チャクラはムーラダーラと呼ばれています。その他にはルートチャクラとも言われます。チャクラとはエネルギーの世界の物質ですから現社会の言葉でのその正当な呼び名を論議する事より、波動を見つめるポイントやチャクラ活性化に対する意識と、その存在理由を確かめる事に重心を起きたいと考えています。

ムーラダーラチャクラはあなたの心の奥底にある炎の様な存在。あなたの生きる活力もここにあります。ムーラダーラは非常に重要なチャクラで大地や地球の中心、宇宙の重心、物事の中心との波動をいつも捉えあなたの立ち位置を探しています。あなたの生きるライフスタイルの中心がより自然でオーガニックな存在に溢れる事により、さらに自然な活力を生み喜ばしい結果を導きます。ムーラダーラチャクラは地上からのエネルギーを敏感に受けます。高層ビルでは受けにくくなる事も確かですが、変わりに空からのエネルギーは強くなります。大樹がしっかり土に根づいて存在している様に、ムーラダーラチャクラはあなたの根に辺ります。また枝分かれする果実の様に、家族との関係もここに。家族を大切に自然を大切にする事があなたの心の炎をより自然に輝かせる事になる可能性を秘めています。

怪我の功名

男子の友だちが『母親が使ったら全く見違えるほど奇麗になった!』と私にも持ってきてくれた。

なんと、でんでん虫でできたローション。最近流行っているらしい。

男性に化粧品もらうようになったらアンタも終わりね、と母から爆笑された。

なるほど、つけてみるとしっとりした感じ。ヌメッとしたところがなんとなく荒れ暮れ果てた砂漠のような私の肌を潤ってくれてるような気がする。が、母がナメクジのローションと(わざとか?)間違って言ってしまうので、よけいに気持ち悪くなって最近つかっていない。

 

田舎に住んでいるからかお歳暮は食べ物が多い。お金がなくても食べていけるね、と錯覚に陥るほど、おかげさまで年末年始はずっとスーパーに買い出しに行かなくてよい程に食べ物があった。ありがたいことだ。

農家の人にいただいた大根がずっと食べられずにしばらく軒先でほったらかしにされていた。するとしわしわになって半分くらいの大きさにしぼんでいた。普通だったら、美味しくなさそう、と捨てていたかもしれないけれど、母に影響された『捨てるときはいつでも捨てられる』精神が目を覚まし、ちょいと待てよ、とストップがかかった。

試しに一口かじってみたら、なんとほどよい感じにふったり、けどカリカリの食感は残っている大根に出来上がっているではないか!

なるほど、大根や白菜は漬け物にする前に水分を飛ばす。甘みを凝縮する為だ。

 

べつに漬け物にしなくとも、しわしわになった大根を1cmくらいの輪切りにしてそれにオリーブオイルと塩と七味で立派な酒のつまみの出来上がり。

たべものも新鮮だから美味しいとは限りません。

 

* 最近、わざとこのしわしわ大根を作っている。けど雨が降ると大根が黒くなってしまうようだ。雨が少なく、お天道様の光もさほど強くない時がいいのでは?

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